いなば食品の平均年収は573万円
平均給与の全体像
いなば食品株式会社(静岡県静岡市清水区、1948年設立)はツナ缶「いなばライトツナ」や猫用おやつ「CIAOちゅ〜る」で知られる総合食品メーカーです。2025年1月時点で転職クチコミプラットフォームエンゲージ会社の評判に寄せられた29件の給与回答を集計すると、同社の平均年収は573万円、平均年齢は30歳でした。売上高1,310億円・従業員4,800名規模の中堅メーカーとしては比較的高い水準で、同年代の食品メーカー勤務者より1〜2割ほど上回る結果です。
嬉しいのは賞与比率の高さです。口コミによると年2回支給されるボーナス合計は基本給の約8か月分に到達するケースが多く、月次のベースサラリーを抑えつつ業績連動で還元する設計が、ここ数年の猫ブーム・巣ごもり需要拡大を追い風に実額ベースの報酬を底上げしてきました。
指標 | 数値 |
---|---|
平均年収 | 573万円 |
平均年齢 | 30歳 |
従業員数(連結) | 4,800名 |
売上高(連結) | 1,310億円 |
いなば食品 の職種別平均年収
主要3職種のレンジ
同社はコンシューマ向け商品に強く、営業系は販促手当やインセンティブで年収657万円と高水準。一方で製品安全や品質保証を担う食品系専門職は研究開発枠のため給与テーブルが控えめで427万円となっています。バックオフィスを司る企画・事務・管理系は599万円と中間的ポジションです。
職種 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
営業系 | 657万円 | 29.8歳 |
企画・事務・管理系 | 599万円 | 31.4歳 |
医薬・化学・素材・食品系専門職 | 427万円 | 26.6歳 |
年代別で見るキャリアイメージ
25〜29歳の平均は711万円と急伸している点が注目されます。これは賞与比率が高い同社で、若くして主力ブランドの販促に成果を出した社員がインセンティブを上積みしているためと考えられます。その後30代前半で一旦落ち着き、課長代理相当へ昇格する30代後半〜40代前半に再びアップするカーブが想定されます。
上記の年代別平均年収は、現役社員および元社員の声をもとに算出されたものです。ただし、実際の年収は残業時間やポジションなどによって異なる場合がありますので、あくまで目安としてご覧ください。
いなば食品 の評価制度
7年目までは自動昇格
口コミによれば入社7年目前後までは年次昇格で給与テーブルが自動的に上がり、その後は実績とコンピテンシー評価で加点される仕組みです。課長代理までは概ね誰もが到達でき、以降は成果とマネジメント適性が重視されます。
賞与分配の仕組み
ボーナスは会社業績×部門係数×個人評価で計算される完全ポイント制。食品市況に左右されがちな原材料価格を吸収できた年度では10か月分の支給実績もあるとされ、社員満足度を押し上げています。
課長代理以降の収入アップ戦略
課長代理への昇進は30代中盤〜後半がボリュームゾーン。以降はチームマネジメントに加え、KPIベースの商談成功率やブランドROIが評価に組み込まれ、Sランクを2期連続で取得すると部長代理昇格が見えてきます。
いなば食品 で働く人の特徴
ブランド愛と海外志向
社員のクチコミから頻出するキーワードは「ちゅ〜る愛」。自社商品のファンで入社するケースが多く、SNS活用に長けた20代の比率が高め。タイ・インドネシア工場とのテレビ会議が日常的で、英語を使う機会も豊富です。
いなば食品 の働き方・残業時間
平均残業33時間と食品業界標準
月33時間は1日あたり1.5時間程度。繁忙期は新商品の立上げが重なる4〜6月と年末商戦準備の10〜11月。フレックスはありませんが、製造系以外は時差出勤の申請が通りやすい環境との声があります。
残業代の計算方法
管理職前の全社員に時間外手当を100%支給。22時以降は深夜割増、休日出勤は代休取得または35%割増を選択可能です。
いなば食品 の福利厚生
住まい関連 – 社宅・寮制度
独身寮は静岡県由比・東京江戸川区など5拠点。家賃は水道光熱込みで1万円前後、築浅の物件も増えており「地方でもネット環境が高速」と評価されています。
資産形成 – 選択制DCと財形
財形貯蓄は利息補填あり、希望者は選択制企業型DCへ拠出可能。持株会は設立準備中で、将来的には配当と従業員割引を組合わせ株主還元も狙えます。
健康・ライフイベント支援
がん保険・団体長期障害保険を導入。産休・育休取得率は女性100%、男性も40%超。介護休業は最長1年、復職後の短時間勤務は子が小学校卒業まで利用できます。
福利厚生のユニーク制度
・パートナーズシップ休暇:ペット通院・里親受け入れ時に半日休暇を取得可。
・チャリティちゅ〜るデー:寄付活動参加者に特別有給1日付与。
・社食ペーパーレスキャンペーン:マイ食器利用でポイント還元、社内通販で自社商品と交換。
いなば食品 の求人紹介
求人紹介① 営業系(量販チャネル担当)
求める人材
GMS・ドラッグストア向け提案営業経験2年以上、普通自動車免許、週2回の出張に対応できる方。
求人紹介② 研究開発職(ペットフード)
求める人材
動物栄養学・食品科学専攻の修士卒、HACCP運用経験歓迎。静岡本社R&Dセンター勤務。
求人紹介③ 管理系(人事/HRBP)
求める人材
事業会社人事または人材紹介会社でのHR経験5年、制度設計・労務コンプラ実務に強い方。
選考フローと対策ポイント
書類選考→一次面接(人事)→適性検査→二次面接(配属部門長)→最終(役員)。志望動機では「ブランドへの共感」「海外展開で果たしたい役割」を具体的に語ることが通過者に共通する傾向です。
転職市場における いなば食品 の位置づけ
高付加価値ペットフードで差別化
総合食品メーカーの中でもペットフード売上比率が高く、同領域の市場成長を背景に給与と採用意欲を維持。日清ペットフードやユニ・チャームと比較しても、中途採用では営業・R&Dにおける裁量の大きさで優位性があります。
いなば食品 で得られるキャリアパス
ブランドマネジメント×海外工場マネジメント
入社5年目前後で商品担当としてP/L管理を経験、その後タイ・米国子会社への赴任も。30代で海外工場長補佐として原価・品質を管轄するルートもあり、事業運営の全工程を学べるのが魅力です。
社員のリアルボイス
賞与満足と寮クオリティ格差
ポジティブ:「賞与8.5か月で同世代より貯蓄が進む」「寮費が安く生活コストを抑えられる」
ネガティブ:「寮の設備や立地に地域差が大きい」「製造現場はやや体育会系の文化」
食品業界平均とのベンチマーク
平均年収+130万円の優位
エンゲージ公開の同規模食品メーカー平均(約440万円)と比べ、いなば食品は約30%高い結果。これはペットフードが粗利率30%超と高収益である点が寄与しています。
競合比較の詳細
「はごろもフーズ」平均442万円との比較では、いなば食品の営業利益率が約2.3pt高く、社員への還元余力が上回っています。
今後の展望とリスク要因
海外拡大・パワハラ報道の両面に注視
東南アジア新工場が稼働すれば売上1,500億円も視野。一方、2024年のパワハラ・社宅報道のようにガバナンス問題が浮上すると採用ブランディングに影響が及ぶ可能性があります。
リスクとそのヘッジ手段
・原材料高騰:為替先物と長期購買契約で吸収。
・ペットフード市場縮小:シニア向け機能性フードやウェットサプリ市場へ事業拡張。
・ブランド毀損:SNSポリシー再整備とインフルエンサー契約ガイドラインで炎上リスクを低減。
ガバナンス改善策
外部弁護士と産業医が参加する「コンプライアンス委員会」を設置し、多言語ホットラインを運用中。匿名アンケートでは「相談しやすさが向上」と回答する社員が74%を占めています。
まとめ
平均年収573万円、賞与8か月、家賃8割補助という好待遇に加え、成長著しいペットフード事業でキャリアの幅が広がるいなば食品。海外志向の若手やブランドマーケに挑戦したい中堅人材にとって、有力な転職先候補と言えるでしょう。